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スマートフォンを選ぶ際に重要なのが、搭載されているSoC(プロセッサ)の性能。
中でもQualcommの「Snapdragon」シリーズはAndroidスマホの中心的存在ですが、近年は「Gen」 「+」 「s」などの表記も増え、型番だけでは性能の上下がわかりにくくなっています。
この記事では、2025年5月時点でのSnapdragon 4〜8シリーズの主なモデルを、日本国内で発売された製品に絞って性能順に整理し、わかりやすくまとめました。
🔰 Snapdragonシリーズの命名ルール
Snapdragonの型番には以下のような法則があります:
- Gen◯(例:Gen 3):世代番号。数字が大きいほど新しい
- 「s」付き(例:7s Gen 2):シリーズ内の廉価版。構成や性能を抑えたモデル
- 「+」付き(例:7+ Gen 3):シリーズ内の上位モデル。性能強化型
例えば、「7+ Gen 3」は7シリーズ最上位の高性能型、「7s Gen 2」は価格重視型という位置づけになります。
📱 Snapdragon 8シリーズ
・性能順一覧(AnTuTu v10基準)
モデル名 | スコア(目安) | 搭載スマートフォン例(日本発売モデル) |
---|---|---|
Snapdragon 8 Elite for Galaxy | 約2,300,000+ | Galaxy S25 / S25 Ultra |
Snapdragon 8 Elite | 約2,250,000+ | Xiaomi 15 / 15 Ultra、POCO F7 Ultra、REDMAGIC 10 Pro、nubia Z70 Ultra、ROG Phone 9 / 9 Pro Edition |
Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy | 約2,150,000 | Galaxy S24 / S24 Ultra |
Snapdragon 8 Gen 3 | 約2,100,000 | Xperia 1 VI 、POCO F7 Pro、REDMAGIC 9 Pro |
Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy | 約1,600,000 | Galaxy S23 / S23 Ultra |
Snapdragon 8 Gen 2 | 約1,500,000〜1,600,000 | Xiaomi 13T Pro、POCO F6 Pro、Xperia 1 V、Xperia 5 V、Zenfone 10、AQUOS R8、 REDMAGIC 8 Pro、ROG Phone 7 |
Snapdragon 8+ Gen 1 | 約1,120,000 | Xiaomi 12T Pro、Zenfone 9、 ROG Phone 6 / 6 Pro、motorola edge 40 pro |
Snapdragon 8 Gen 1 | 約950,000〜1,050,000 | Galaxy S22 / S22 Ultra、AQUOS R7、Xperia 1 IV、REDMAGIC 7 |
・解説
Snapdragon 8シリーズはフラッグシップ向けSoC。動画編集や3Dゲーム、AI処理、長期的なアップデートを重視するユーザーに最適で、性能に妥協したくない人向けのモデルです。
「for Galaxy」モデルはSamsungとQualcommの共同開発による特別版で、標準モデルよりもCPUやGPUのクロックが高めに設定されています。
8s Gen 4 は8シリーズの技術を一部簡略化した中上位モデルで、ゲームも快適に動く性能を持ちます。性能的には8 Gen 2と8 Gen 3の間に位置します。8s Gen 4 は、2025年5月時点では日本では未発売のため、表からは除外しています。
📱 Snapdragon 7シリーズ
・性能順一覧
モデル名 | スコア(目安) | 搭載スマートフォン例(日本発売モデル) |
---|---|---|
Snapdragon 7+ Gen 3 | 約1,400,000 | AQUOS R9 |
Snapdragon 7 Gen 3 | 約850,000 | Motorola Edge 50 Pro / Edge 50s Pro |
Snapdragon 7s Gen 3 | 約823,000 | Nothing Phone (3a) |
Snapdragon 7 Gen 1 | 約708,000 | Motorola Razr 40、Nubia Flip 5G、Libero Flip |
Snapdragon 7s Gen 2 | 約608,000 | arrows We2 Plus、Redmi Note 13 Pro 5G、AQUOS sense9 |
・解説
Snapdragon 7シリーズは、ミッドレンジからハイエンドの中間に位置する性能帯で、価格と性能のバランスを重視したSoCが多いのが特徴です。普段使いから軽めのゲーム、SNSや動画視聴まで幅広く対応できる性能で、コストパフォーマンスを重視する人に適しています。
最上位の 7+ Gen 3 はハイエンド並みの性能を持ち、AQUOS R9 に搭載されています。
7 Gen 3 は Motorola Edge 50 Pro / Edge 50s Pro に採用されており、バランスの取れた設計です。
7s Gen 3 は Nothing Phone (3a) に採用。
7 Gen 1 は Nubia Flip 5G、ZTE Libero Flip や Motorola Razr 40 に搭載され、折りたたみスマホ向けの実用性とデザイン性の両立が特徴です。
7s Gen 2 は arrows We2 Plus、Redmi Note 13 Pro 5G、AQUOS sense9 に搭載され、コストパフォーマンス重視のモデルとなっています。
📱 Snapdragon 6シリーズ
・性能順一覧
モデル名 | スコア(目安) | 搭載スマートフォン例(日本発売モデル) |
---|---|---|
Snapdragon 6 Gen 4 | 約764,000 | (未発売、Xperia 10 VIIが候補?) |
Snapdragon 6 Gen 3 | 約620,000 | Galaxy A36 |
Snapdragon 6 Gen 1 | 約534,000 | Xperia 10 VI、AQUOS sence 8、OPPO Reno13A |
・解説
Snapdragon 6シリーズは、ミドルレンジ市場を支える中核的なSoCラインです。日常利用やSNS、Web閲覧、軽いゲームを快適にこなしたいユーザーに適しており、バッテリー持ちや安定性を重視する使い方に向いています。
Snapdragon 6 Gen 3 は Galaxy A36 に搭載され、バランス型の性能を提供。
6 Gen 1 は Xperia 10 VI に採用されており、省電力と日常利用に優れています。
6 Gen 4 は未発売ですが、Xperia 10 VII への搭載が予想されます。
Snapdragon 6 Gen 2 はスキップされたため存在しません。明確な理由は公表されていませんが、6 Gen 1から6 Gen 3への進化が小規模だったため、製品ライン整理の一環と考えられています。
Snapdragon 6s Gen 3 は実質的に Snapdragon 695 のリブランドとされており、構成も近いですが、日本国内での展開は確認されていないため表からは除外しています。
📱 Snapdragon 4シリーズ
・性能順一覧
モデル名 | スコア(目安) | 搭載スマートフォン例(日本発売モデル) |
---|---|---|
Snapdragon 4 Gen 2 | 約428,000 | Redmi 12 5G |
Snapdragon 4 Gen 1 | 約390,000 | (日本での発売なし) |
・解説
Snapdragon 4シリーズはエントリー〜ライトミドル向け。電話やメール、SNS、地図アプリなどの基本的な使い方がメインのユーザーに最適で、価格を抑えつつも最低限の快適さを求める人向けの構成です。
4 Gen 2 は Redmi 12 5G に搭載されています。
✅ まとめ
- 名前は似ていても性能は大きく異なる場合がある
- 同じシリーズ内でも「Gen」や「s」 「+」で性能差がある
- 搭載スマホ、価格帯、用途に応じて最適なSoCを選ぼう