今週のお題「これで冬を乗り越えました」
私が普段、通勤や買い物で車を運転する東京の多摩地域では、年に数回雪が降る程度で、しかも積もることは稀です。そのため、冬の雪道対策は、そこまで切実な悩みではありません。しかし、それでも万が一の積雪に備えておく必要はあると考えています。冬の雪道対策として最初に思い浮かぶのはスタッドレスタイヤですが、昨年購入した愛車は、高級車とは程遠い中古の軽自動車。スタッドレスタイヤを用意し、冬ごとに履き替えるのは、手間もコストもかかります。給料が上がらない上に物価高の昨今、それは厳しい選択でした。
次に思いついたのが一般的な金属製のタイヤチェーンですが、乗り心地や騒音が気になる上に、取り付けがやや面倒なため、選択肢には入りませんでした。
そこで目を付けたのが、布製タイヤチェーンです。『チェーン』という名前ですが、素材は布。「チェーンじゃないじゃん。布じゃん。」と思いましたが、それはさておき。
まずは、スタッドレスタイヤ、金属製タイヤチェーン、布製タイヤチェーンのそれぞれの特徴をあらためて比較検討してみました。
項目 |
スタッドレス タイヤ |
金属製 タイヤチェーン |
布製 タイヤチェーン |
価格 |
高価 |
比較的安価 |
比較的安価 |
取り付けやすさ |
取り付け不要(シーズン前に交換) |
やや難しい |
簡単 |
乗り心地 |
快適 |
悪い |
やや悪い |
雪道性能 |
高い |
高い |
やや高い |
耐久性 |
高い |
高い |
やや低い |
携帯性 |
低い(タイヤ交換のため) |
低い(かさばる) |
高い(コンパクト) |
騒音 |
静か |
うるさい |
ややうるさい |
舗装路での使用 |
可能 |
不可 |
短距離のみ可能 |
チェーン規制 |
通行不可の場合がある |
通行可能 |
通行可能 |
この比較表から分かるように、スタッドレスタイヤは雪道性能や乗り心地に優れていますが、価格が高く、タイヤ交換を依頼するなど手間がかかります。
金属製タイヤチェーンは、雪道性能は高いものの、乗り心地が悪く、騒音も気になり、取り付けもやや難しいです。
一方、布製タイヤチェーンは、雪道性能はやや劣りますが、価格が比較的安く、取り付けも比較的簡単です。また、コンパクトに収納できるため、車に積んでおいても邪魔になりません。
東京の多摩地域のように、雪が降る頻度が少ない地域では、スタッドレスタイヤはオーバースペックです。金属製タイヤチェーンは、乗り心地や騒音が気になり、舗装路での頻繁な使用には適していません。
これらの点を考慮した結果、布製タイヤチェーンが私にとってベストな選択であると考え、布製タイヤチェーンを購入し、万が一の積雪に備えることにしました。
布製タイヤチェーン「AutoSock」を選んだ理由
布製タイヤチェーンにも様々な商品があり、中には安価なものも見受けられました。しかし、安全に関わる製品であるため、信頼できるメーカーのものを選びたいと考えました。そこで、いくつかの候補を挙げ、価格、デザイン、性能などを比較検討しました。
まず、あまり聞いたことのないメーカーの製品は、選択肢から除外しました。次に、信頼できそうなメーカーとして、AutoSock、ISSE、セイワの3社に絞り込みました。
- AutoSock: ノルウェー生まれの布製タイヤチェーンのパイオニア。タイヤ専門家のボード・ロートベイト氏が1996年に試作を開始し、1998年に AutoSock 社を設立。世界 60 カ国以上で販売され、各国の認証機関に機能性が認められています。独自開発の特殊繊維による卓越したグリップ力が特徴で、日産自動車など数々の自動車メーカーに純正用品として採用されています。タイヤの大きさに合わせた豊富なサイズ展開があります。
- ISSE: 2003 年にスペインで創業し、ヨーロッパ・北米で展開する布製タイヤチェーンのパイオニア。BMW、MINI、メルセデス・ベンツなど、名だたる自動車メーカーに公式採用されています。
- セイワ: 日本の老舗カー用品メーカーで、フランスの大手カー用品メーカー「ジュベール」の製品を扱っています。日本のメーカーから買うと、何かあった時に安心かもしれません。
ISSE とセイワも悪くない選択肢でしたが、上記 3 社を比較検討した結果、布製タイヤチェーンのパイオニアで最も歴史があり、世界各国の認証機関に認められている信頼性と安心感から、AutoSock の購入を決めました。
AutoSock を買うときのチェックポイント
AutoSock は、雪道や凍結した道で、車を安全に走らせるための便利なアイテムです。でも、購入前にいくつか確認しておくことがあります。
- サイズ選びは慎重に: AutoSock は、タイヤの大きさに合わせて、いろいろなサイズがあります。自分の車のタイヤに合うサイズを選ばないと、うまく装着できなかったり、走行中に外れてしまったりする可能性があります。タイヤのサイズは、タイヤの側面に書いてありますので、必ず確認しましょう。
※公式サイトで検索できます
- 隙間チェックは忘れずに: AutoSock を装着した時に、タイヤと車体の間に十分な隙間(クリアランス)があるか確認してください。隙間が狭いと、走行中に AutoSock が車体に当たって、車を傷つけたり、AutoSock が壊れてしまうことがあります。特に、サスペンションやタイヤハウスとの隙間は重要です。
- 駆動輪を確認: AutoSock は、車の駆動輪(動く方のタイヤ)に装着する必要があります。自分の車が FF(前輪駆動)か FR(後輪駆動)かを確認し、正しいタイヤに装着してください。4WD 車の場合は、車の取扱説明書で推奨されている装着方法を確認しましょう。
- 正規品を選びましょう: AutoSock には、安い並行輸入品も出回っていますが、品質や安全性が保証されていない場合があります。万が一の時に保証やサポートが受けられない可能性もあるので、信頼できる販売店で正規品を購入することをおすすめします。
AutoSockのパッケージはこんな感じ
AutoSock を使うときの注意点
AutoSock は、雪道や凍結路で力を発揮する便利なアイテムですが、使う前に以下の点を確認しておきましょう。
- 使う時と場所を選ぶ: AutoSock は、雪道や凍結路で使うことを考えて作られています。アスファルトなどの乾いた道で使うと、早くダメになってしまうので、できるだけ避けましょう。
- スピードを守る: AutoSock をつけて走る時は、スピードを出しすぎないようにしましょう。だいたい時速 50km までが目安です。スピードを出しすぎると、AutoSock が壊れたり、車が不安定になることがあります。
- 状態をチェックする: AutoSock は、外側と内側の 2 つの布でできています。外側の白い布がすり減って、内側の黒い布が見えてきたら、交換のサインです。
これらのポイントをしっかり確認して、自分の愛車にぴったりの AutoSock を選び、安全なドライブで冬を乗り越えましょう。