シャープのエントリーモデル「AQUOS wish」シリーズの新モデル、AQUOS wish5が2025年5月29日に発表になりました。 今回の注目ポイントは、搭載SoC(チップセット)がMediaTek Dimensity 6300へと刷新されたことです。
前モデルAQUOS wish4ではDimensity 700を搭載しており、今回の変更によって内部性能がどう変わったのかが気になるところです。 この記事では、SoCの違いを中心に、カメラ性能などもあわせて比較・解説します。
SoCの基本スペック比較
項目 | Dimensity 6300(wish5) | Dimensity 700(wish4) |
---|---|---|
製造プロセス | 6nm | 7nm |
CPU構成 | Cortex-A76 ×2(最大2.4GHz) Cortex-A55 ×6(最大2.0GHz) |
Cortex-A76 ×2(最大2.2GHz) Cortex-A55 ×6(最大2.0GHz) |
GPU | Mali-G57 MC2 | Mali-G57 MC2 |
メモリ対応 | LPDDR4X 2133MHz | LPDDR4X 2133MHz |
ストレージ | UFS 2.2 | UFS 2.2 |
ディスプレイ対応 | 最大2520×1080 | 最大2520×1080 |
5G対応 | Sub-6GHz対応 | Sub-6GHz対応 |
性能の進化ポイント
製造プロセスの微細化(6nm)
Dimensity 6300は、より省電力で発熱の少ない6nmプロセスで製造されています。 Dimensity 700の7nmよりも微細化が進んでおり、エネルギー効率と安定性の向上が期待できます。
CPUクロックアップ
高性能コアの最大クロックが2.2GHz → 2.4GHzに引き上げられ、 日常の操作やアプリ起動時のレスポンスが向上する可能性があります。
ベンチマーク比較(AnTuTu参考値)
CPU/GPUの仕様だけでは分かりづらい性能差を、ベンチマークスコアをもとに比較してみます。 ここではAnTuTu v10相当の参考値を紹介します。
項目 | Dimensity 6300(wish5) | Dimensity 700(wish4) |
---|---|---|
総合スコア | 約410,000点 | 約370,000点 |
CPUスコア | 約120,000点 | 約110,000点 |
GPUスコア | 約95,000点 | 約90,000点 |
全体として、Dimensity 6300はDimensity 700よりも約10%ほど高いスコアを記録しています。 GPU性能はほぼ同等ですが、CPU性能や省電力性能の向上により、快適さが底上げされている印象です。
ただし、これらの数値は搭載端末や最適化の影響も受けるため、あくまで目安として参考にしてください。
カメラ性能は変わらず?
実際の製品に搭載されているカメラ仕様は、wish5もwish4も同一です。
- メインカメラ(広角):有効画素数 約5,010万画素 CMOS、F値1.8、焦点距離25mm相当
- インカメラ:有効画素数 約800万画素 CMOS、F値2.0、焦点距離26mm相当
- 画像処理エンジン:ProPix lite
SoCのカメラ対応上限には違いがありますが、実機では同じカメラユニットが使われているため、 画質の違いは基本的にありません。
ゲームやグラフィック性能について
どちらのSoCもGPUにはMali-G57 MC2を採用しており、グラフィックス性能はほぼ同等です。
一部ベンチマークではDimensity 6300の方がわずかにフレームレートが安定する傾向が見られますが、 日常用途や軽いゲームでは体感で大きな差は出にくいと考えられます。
まとめ:SoCの刷新で見えない部分が強化されたwish5
AQUOS wish5は、前モデルと外観やカメラ仕様がほぼ同じである一方、SoCがDimensity 700 → 6300へと刷新され、 中身の進化が図られたモデルです。
より省電力で効率の良いSoCを搭載することで、バッテリー持ちや操作のスムーズさに貢献する可能性があり、 地味ながら着実なアップデートが行われています。
派手さはなくとも、同じように見えてちゃんと進化している、そんな安心感がAQUOS wish5の魅力の一つかもしれません。
なお、AQUOS wish5のスペックや注目機能、そして前モデル「AQUOS wish4」との違いについての詳細は、こちらの記事をご覧ください ↓ ↓
シャープの新スマホ「AQUOS wish5」のスペックと特徴を解説。前モデルwish4との違いを比較表で紹介。2025年の注目エントリーモデルを徹底チェック!